🌿大会第二日🌿
5月23日(木)10時~15時半 @日本教育会館一ツ橋ホール
🌷午前の部
●礼拝 岩谷 幸子 さん
🎵讃美歌 234 A 番、452 番
📕聖書 マタイによる福音書 18 章19 節~20 節
また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。
二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。
「同志二人以上いれば友の会を作ることができる。」
小さな命の種が芽生え、育て、真の合理的生活を目指したいとの願いを今改めて強くしている。
「失われたるもの加えられたるもの」(思想しつつ生活しつつ下)には、大正12年9月関東大震災2週間後の羽仁先生からのメッセージが綴られている。自分を出来るだけ広い範囲に役立てようとある。
また大正13年1月に書かれた「私の信ずる開運法」(思想しつつ生活しつつ下)には、私たちは何も持たずに生まれて来たとある。
世界中で起こる戦争が日常のようになり、死者数を聞いても何も感じなくなっている昨今。今年元旦に起きた能登半島地震のことも思い、支持する気持ちを表し続けることが何よりもの支えだと考える。
誰かのために時間とお金を出すことの嬉しさは、家計簿を通して育てられた。
1986年から38年家計簿記帳を続けている。今はつけられないとイライラする程だが、入会時はつけないと決めていた。
いい加減に予算を立て、1冊目は8ヶ月つけられた。4年目には12ヶ月平均が出せた。家計簿の数字を見ながら、メガネを乱視用に変えた時の感覚と一緒だと感じた。お金のモヤモヤは記録することで解消できるかもしれないと思う。
先輩から公共費を増やしなさいと言われ続け、家計研究グループでは「君はケチやな」と言われた。初めは理解できなかったが、自分が買いたいと思うものは本当に必要なのか、お金を使わずにどうにかならないかということを考えながら暮らすと、教育費と住宅返済の山が重なった時にそれまでの積み重ねが感謝に思われた。
また「工夫を楽しむ」ことを学ぶことができた。
「公共費は人を育てる」
今、時間と労力を人のために役立てたい思えるのは、この言葉を学ばせていただいたからだと思う。
単なる家庭経済のやりくりでなく、財産を蓄えるだけでなく万人の生活を豊かにするための経済として家庭の経済を利用することの大切さ、そして、初めは単なる数字の振り分けだったが、今は「予算の力」を感じている。
食事摂取基準もない90年前に、自分たちの生活を根拠に予算の数字を出したことに驚愕する。
友の会は、神と人への愛を協力によって実践し、合理的生活を目指すところ。
皆でこれを目指していきたい。
●能登半島地震支援について
地震発生から1ヶ月、友の会としても様々な支援団体との協力で支援が始まりました。
初めは能登ヘルプから被災地に届ける毛布の要請を受け、ニッケ毛布100枚を送付。本郷台キリスト教会の炊き出しに駆けつけ、能登ヘルプとの協力がスタートしました。
中央部からは、信越部中央委員の即決により、友の会の支援が始動できたことに感謝しているとのコメントがありました。
ハンガーゼロを通して依頼を受け、各地友の会から焼き菓子280袋の申し出があり、七尾に各地から発送されました。友の会から送った焼き菓子を見て、森さんは「被災地は優しさを目の当たりにできる場所」だと語られたとのこと。
今後、仮設住宅に移った後に各種製作品が必要となります。
良い支援が縦にも横にも織り込まれ、能登の方々を覚えながらできる人ができることをして支援を続けていきたいと話した上で、「先の長い支援のため、全国の皆さんの協力をよろしくお願いします」と話されました。
●講演 「家計簿120 周年に寄せて」 林 香里 東京大学副学長
結婚祝いに婦人之友の1年間購読をプレゼントされて以来、34年の婦人之友読者であるという林先生。海外で子育てをしながら、先輩の知恵、主婦たちの声の宝庫である婦人之友を心の友とし、特に家計簿をつけ通す同盟のレポートをかぶりついて読んでいたとのこと。
そして、ジャーナリズム専門家としての視点から、羽仁もと子の家計簿について語られました。
朝日新聞の論壇時評 |
講演趣旨
羽仁もと子は家計簿を通して家庭を開いていったと考える。女性の解放を家計簿から考えていたのではないか。
朝日新聞の論壇時評の担当を引き受けてから、必ず婦人之友を取り上げようと思っていた。
その中で、家計簿は日本独特の実践で、シンプルな日本流の生活の総称。家計簿の体質がなぜ政治に活かされないのか。生活に根ざした金銭感覚、バランス感覚が政治を牛耳る者たちに足りないではないかと論じている。
時代の流れで「家計簿をつけ通す同盟(以下、つけ通す同盟)」が幕を下ろした。つけ通す同盟は社会と共にあったので、発展的解散があったと考えている。
このことを社会の変容という観点で考えてみると、
つけ通す同盟が終わった時代は
「少子高齢化・個人化・デジタル情報化+紙媒体の衰退」と表現できる。
婦人之友は特定の読者にターゲットを絞っている。定期購読者がいるので、比較的安定して販売を続けられるだろう。しかし、新規読者獲得は課題だと推測される。
では、つけ通す同盟の後に来る同盟は何か。次のようなものが考えられる。
・SNSの活用:女性に安全なSNSの領域を作るのはどうか?
・個人化の中で芽生える新たな社会運動との連携(MeTooやエコロジー運動のような新しいタイプの運動)
・新たなライフスタイル(ベジタリアン、ヨガ、スポーツなど)との融合
・介護に関する情報(「明日の友」)
何より、婦人之友には日本の女性たちをもっともっと応援して欲しい。
ジェンダーギャップ指数がなぜここまで低迷するのか。
「女性の友」としての「婦人之友」への発展を願う。
そして、友の会には日本の若い女性の活躍を応援する団体になってほしいと願うと語られました。
●羽仁もと子案家計簿120 年 世代をつなぐ
世代をつなぐ2組の母娘の発表がありました。
家計簿記帳は習慣になるまでは時間がかかるが、良いことに惹かれる気持ちを大事に頑張りたいという言葉や、家計の急変により子どもの奨学金満額支給の申請が必要になった際に家計簿が役立ったこと、社会に支えられて暮らせていることへの感謝が語られました。
「お母さんの背中を子どもはよく見ているよ」という言葉に、私たちの日常も改めて振り返りたいと思います。
●生活時間調べ
🌷午後の部
●子ども・家庭・社会へ向けて
●婦人之友社より
婦人之友編集長からは、
「多様性を受け止め、すべての読者の研究室になりたい」
「自分以外の人や遠くで起こっていることを想像すること、想像力が平和への一歩になる」との言葉がありました。
家計記事担当の編集者は、
「家計簿をつけると価値観が養われる」
「心と頭と手を働かせて、買い物上手になるのも予算を守る技術」と。
そして、羽仁もと子案家計簿創刊120周年プロジェクト担当者からは、
家計簿には「暮らしを変える力がある」とした上で、今年は以下の4つを企画しているとの話がありました。
- 記念座談会
- ロゴマーク制作
- 動画制作
- 講習会用パンフレット制作
●行く道を照らす家計簿 家庭から社会へ
3友の会から話がありました。
郡山友の会会員は、図書館で500冊借りたときに感謝として5万円寄付。1000冊借りた際にも同様にしたと話していました。その感謝の心と公共費の用い方に感動しました。