2024年5月27日月曜日

2024年度 全国友の会大会 2日目

 🌿大会第二日🌿

523日(木)10時~15時半 @日本教育会館一ツ橋ホール  


🌷午前の部


礼拝  岩谷 幸子 さん 

🎵讃美歌 234 A 番、452 番
📕聖書 マタイによる福音書 18 章19 節~20 節 


また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。 

二人または三人がわたしの名によって集まるところには、わたしもその中にいるのである。


「同志二人以上いれば友の会を作ることができる。」

小さな命の種が芽生え、育て、真の合理的生活を目指したいとの願いを今改めて強くしている。

「失われたるもの加えられたるもの」(思想しつつ生活しつつ下)には、大正12年9月関東大震災2週間後の羽仁先生からのメッセージが綴られている。自分を出来るだけ広い範囲に役立てようとある。

また大正13年1月に書かれた「私の信ずる開運法」(思想しつつ生活しつつ下)には、私たちは何も持たずに生まれて来たとある。

世界中で起こる戦争が日常のようになり、死者数を聞いても何も感じなくなっている昨今。今年元旦に起きた能登半島地震のことも思い、支持する気持ちを表し続けることが何よりもの支えだと考える。


誰かのために時間とお金を出すことの嬉しさは、家計簿を通して育てられた。

1986年から38年家計簿記帳を続けている。今はつけられないとイライラする程だが、入会時はつけないと決めていた。

いい加減に予算を立て、1冊目は8ヶ月つけられた。4年目には12ヶ月平均が出せた。家計簿の数字を見ながら、メガネを乱視用に変えた時の感覚と一緒だと感じた。お金のモヤモヤは記録することで解消できるかもしれないと思う。


先輩から公共費を増やしなさいと言われ続け、家計研究グループでは「君はケチやな」と言われた。初めは理解できなかったが、自分が買いたいと思うものは本当に必要なのか、お金を使わずにどうにかならないかということを考えながら暮らすと、教育費と住宅返済の山が重なった時にそれまでの積み重ねが感謝に思われた。

また「工夫を楽しむ」ことを学ぶことができた。


「公共費は人を育てる」

今、時間と労力を人のために役立てたい思えるのは、この言葉を学ばせていただいたからだと思う。


単なる家庭経済のやりくりでなく、財産を蓄えるだけでなく万人の生活を豊かにするための経済として家庭の経済を利用することの大切さ、そして、初めは単なる数字の振り分けだったが、今は「予算の力」を感じている。


食事摂取基準もない90年前に、自分たちの生活を根拠に予算の数字を出したことに驚愕する。


友の会は、神と人への愛を協力によって実践し、合理的生活を目指すところ。

皆でこれを目指していきたい。


能登半島地震支援について 


地震発生から1ヶ月、友の会としても様々な支援団体との協力で支援が始まりました

初めは能登ヘルプから被災地に届ける毛布の要請を受け、ニッケ毛布100枚を送付。本郷台キリスト教会の炊き出しに駆けつけ、能登ヘルプとの協力がスタートしました。


中央部からは、信越部中央委員の即決により、友の会の支援が始動できたことに感謝しているとのコメントがありました。



門前キリスト教会トラス牧師夫妻は歌手の森祐里さんを招いてチャリティーコンサートを開催。

ハンガーゼロを通して依頼を受け、各地友の会から焼き菓子280袋の申し出があり、七尾に各地から発送されました。友の会から送った焼き菓子を見て、森さんは「被災地は優しさを目の当たりにできる場所」だと語られたとのこと。


今後、仮設住宅に移った後に各種製作品が必要となります。

良い支援が縦にも横にも織り込まれ、能登の方々を覚えながらできる人ができることをして支援を続けていきたいと話した上で、「先の長い支援のため、全国の皆さんの協力をよろしくお願いします」と話されました。


講演 「家計簿120 周年に寄せて」 香里 東京大学副学長 

結婚祝いに婦人之友の1年間購読をプレゼントされて以来、34年の婦人之友読者であるという林先生。海外で子育てをしながら、先輩の知恵、主婦たちの声の宝庫である婦人之友を心の友とし、特に家計簿をつけ通す同盟のレポートをかぶりついて読んでいたとのこと。
そして、ジャーナリズム専門家としての視点から、羽仁もと子の家計簿について語られました。

朝日新聞の論壇時評

講演趣旨

羽仁もと子は家計簿を通して家庭を開いていったと考える。女性の解放を家計簿から考えていたのではないか。
朝日新聞の論壇時評の担当を引き受けてから、必ず婦人之友を取り上げようと思っていた。
その中で、家計簿は日本独特の実践で、シンプルな日本流の生活の総称。家計簿の体質がなぜ政治に活かされないのか。生活に根ざした金銭感覚、バランス感覚が政治を牛耳る者たちに足りないではないかと論じている。
時代の流れで「家計簿をつけ通す同盟(以下、つけ通す同盟)」が幕を下ろした。つけ通す同盟は社会と共にあったので、発展的解散があったと考えている。
このことを社会の変容という観点で考えてみると、
つけ通す同盟が終わった時代は
「少子高齢化・個人化・デジタル情報化+紙媒体の衰退」と表現できる。
婦人之友は特定の読者にターゲットを絞っている。定期購読者がいるので、比較的安定して販売を続けられるだろう。しかし、新規読者獲得は課題だと推測される。
では、つけ通す同盟の後に来る同盟は何か。次のようなものが考えられる。
SNSの活用:女性に安全なSNSの領域を作るのはどうか?
・個人化の中で芽生える新たな社会運動との連携(MeTooやエコロジー運動のような新しいタイプの運動)
・新たなライフスタイル(ベジタリアン、ヨガ、スポーツなど)との融合
・介護に関する情報(「明日の友」)
何より、婦人之友には日本の女性たちをもっともっと応援して欲しい。
ジェンダーギャップ指数がなぜここまで低迷するのか。
「女性の友」としての「婦人之友」への発展を願う。
そして、友の会には日本の若い女性の活躍を応援する団体になってほしいと願うと語られました。

羽仁もと子案家計簿120 世代をつなぐ

世代をつなぐ2組の母娘の発表がありました。

家計簿記帳は習慣になるまでは時間がかかるが、良いことに惹かれる気持ちを大事に頑張りたいという言葉や、家計の急変により子どもの奨学金満額支給の申請が必要になった際に家計簿が役立ったこと、社会に支えられて暮らせていることへの感謝が語られました。

「お母さんの背中を子どもはよく見ているよ」という言葉に、私たちの日常も改めて振り返りたいと思います。

生活時間調べ

今年は、5年に一度の生活時間調べを行う年です。
3日以上、できれば7日間を記録します。

1959年の第1回から参加している98歳の方は、調べを続けることで我が家の時代がわかって面白いと話されました。

今回はスマホでも入力できるとのこと。
係の皆さんからは、理想の24時間を目指し、
人生は永し 今日は短し」「後でするは自分のためにならず」との言葉も。
皆で励まし合って、頑張りたいと思います。


🌷午後の部

●子ども・家庭・社会へ向けて

「子どものことは未来のこと」。
地域と連携した事例、必要を見極めて実践している事例が紹介されました。

・岡山
”走るくるま”(『型紙のない子育て』)が全国で広まっている。大きな地図を皆で作り、そこに自分のくるまを走らせる。

・武蔵野
子どもの料理教室では、まず説明を耳でよく聞き、エプロン・三角巾をつけ、協力して作ることで心の成長も期待している。

・富山
子どもとよく関わり、ここぞという時に寄り添えることを願い、
「子どもの自立を願って、親子で話し合う進路と費用」というタイトルで講習会を開催。
家計は家庭によって様々で正解がない。家計簿を元に家族でよく話し合い、親子にとって良い選択ができるようにしたい。

・鈴鹿 
おこづかい帳について。先回りして用意してあげるのではなく、自分で考えて管理させたい。
中2の子どもに衣服費を任せたところ、「これを買うと予算めちゃくちゃオーバー!」と考えている様子。一方、自分は不明金を19回も記帳。子どもからも学ばせてもらっている。

●婦人之友社より 

婦人之友編集長からは、

「多様性を受け止め、すべての読者の研究室になりたい」

「自分以外の人や遠くで起こっていることを想像すること、想像力が平和への一歩になる」との言葉がありました。


家計記事担当の編集者は、

「家計簿をつけると価値観が養われる」

「心と頭と手を働かせて、買い物上手になるのも予算を守る技術」と。


そして、羽仁もと子案家計簿創刊120周年プロジェクト担当者からは、

家計簿には「暮らしを変える力がある」とした上で、今年は以下の4つを企画しているとの話がありました。

  1. 記念座談会
  2. ロゴマーク制作
  3. 動画制作
  4. 講習会用パンフレット制作
家計簿は一般的ではない韓国ですが、まずは私たちが着実な家庭経済の担い手になる努力をしたいと心新たにしました。

行く道を照らす家計簿 家庭から社会へ

3友の会から話がありました。

郡山友の会会員は、図書館で500冊借りたときに感謝として5万円寄付。1000冊借りた際にも同様にしたと話していました。その感謝の心と公共費の用い方に感動しました。


公益財団法人全国友の会振興財団より (公財)全国友の会振興財団

最後に、ステージに並ばれた全国友の会中央委員承認を行い、「友の国」を合唱して、熱い思いを抱いて二日間の全国大会は幕を閉じました。 

2日目の出席者

会場571名、オンライン829名、1400名



2024年5月26日日曜日

2024年度 全国友の会大会 1日目

 2024年度 全国友の会大会  522日(水)23日(木) 

自由学園の学生が種まきから準備した花



家計簿創刊120年の年。

「真の合理的生活をたずねつつ 平和を願い 希望の種を育てる」

とテーマで2日間にわたり全国大会が行われました。


ソウルからは今年度もリーダーが現地で出席。

参加できる会員はオンラインで出席しました。


🌿大会第一日🌿

522日(水)10時~15時 @自由学園記念講堂 

🌷午前の部

開会式

各地友の会代表の点呼と大会成立が宣言されました。 

現在友の会は181箇所、今回新たに成立した友の会は木更津友の会と明石友の会です。

また、会津が郡山友の会に加入したとの報告がありました。


創立者墓参報告の後、代表による礼拝がありました。


礼拝 代表 望月伸子さん 

🎵讃美歌 228番、531

📕聖書 ローマの信徒への手紙 129節~18


2023年は、婦人之友建業120年の年であり、羽仁もと子生誕150年の年でもありました。

羽仁もと子先生の生誕地・八戸は今、羽仁もと子で盛り上がっているとのこと。


冒頭では、時代を見極める洞察力や人と世を愛した働きを覚え、友の会の組織に身を置けることは幸せであり、著作集や著書により羽仁先生のことを知ることができることは感謝であると語られました。


著作集『真理のかがやき』『思想しつつ生活しつつ下』より引用しながら、愛土、家計のこと、また神の国の実現するという友の会の使命についてもお話しされました。


家計については、私たちはそもそも何も持たずに生まれてきたのだから、物質、精神的にも我が家の適量を考え、平和と人のために使う1%を大切にしたいという願いを大切にしたいこと、そして「家計簿は、感謝と悔い改めの総決算」であると話されました。


各家庭の日々の家計簿記帳が社会とつながり、

今日できる最善、最良のことは何かを考えながら暮らすことで、

平和を身近なところから実現できるということが大胆に語られました。


各地リーダーの抱負

我らソウル友の会リーダーも壇上にて抱負を読みました。
韓国からオンライン画面越しに応援!
この一年、皆で頑張りたいことが力強く語られました!


会員数の報告

会員が減る現状に、仲間を減らさない・増やす努力の具体例が紹介されました。

友の会の活動が自身の成長の機会と捉えられるかがポイントだと感じます。

福岡友の会からは、「婦人之友」を生活に活かし、実行してみたことを紹介し合う「語り会」を行なっているとの報告がありました。取り組みを伝え合うことは、発信する人にとっても、聞く人にとっても刺激になるので大事だと思いました。


自由学園教育報告 

今年度より共学となった中等部、高等部の共学化の過程と思いが生徒たちの言葉で語られました。


中等部では「愛を持つ」、高等部では「0スタート、よりよくする、本質を考える」というテーマを持って過ごしている。

聖書のコリントの信徒への手紙一の中の「一つの体、多くの部分」という箇所があるが、「互いに補い合って一人一人が生かされる社会は神の国であり、そのような社会、学校、団体でありたい」と話されました。


最高学部からは、在学13年の学生が自身の経験を軸に学部での学びの意義を語っていました。素晴らしいスピーチに皆、惹きつけられました。


新学園長の更科幸一先生からは、はじめに全国友の会に対し、「『平和を願い 希望の種を育てる』ことを体現し、自由学園の子どもたちのために捧げてくださり感謝」という言葉がありました。

その上で、すべての人が活かされて共に喜んでいる平和な世界の実現を目標とする全国友の会・婦人之友社・自由学園の3団体が、会員数減・読者数減・生徒数減という現実にも屈することなく、神の国建設の実現に向け共に頑張りたいと力強く語られました。


リフレッシュを兼ねて簡単な運動
新刊『笑って健康と幸せをつかむ24の方法(鎌田實・著)』より

🌷午後の部

 昼食を挟んで、午後の部が行われました。

自由学園100周年記念募金事務局長の話

経済の報告

創立者の志を今に

3人の方が、生活団の教育から子どものこと、羽仁もと子生誕150年記念のこと、家計のことを語られました。


東京第一友の会会員

2002年落合生活団を閉じる決断をした際に、形を変えて生活団を続けていくため、新たに「0歳からの生活団を目指して」就園前の子どもを集めて活動を始めたことが話されました。

子どもは「褒めるより、認めてあげること」が大切という言葉が心に響きました。


②青森友の会会員

八戸では羽仁もと子とわれらの研究室の展覧会が昨年催されました。

小さなことを丁寧に、人のために力を使うことを羽仁先生は喜んでくださっているだろうと展覧会の責任を持った会員が話されました。


今回、婦人之友社より「じょっぱりの人」という新刊が発行されました。

「じょっぱり」とは、信念を貫く強さを意味するそうです。


著者の森まゆみさんのビデオメッセージも放映されました。


以下は、森さんの話の要旨です。


羽仁もと子は、納得できないことは納得しない人だった。

羽仁もと子の本質は「自分の頭で考える」こと。

不得意なことを手放さず、突き詰めたところが、婦人之友の読者が増えた理由だと考える。

東北で行った農村友の会の活動は、日本をよくしていく活動の一つだったと感じている。

他にも、北京生活学校、敗戦後引き上げ女性たちの自力厚生援助など、たくさんの仲間と多くの社会貢献も行なった。

昭和5年に友の会が発足し、単なる雑誌を読む人ではなく、心一つにして羽仁もと子の活動に協力した人の集まりだったと言える。

日本の国は、知識ある女性が家庭を基盤として着実に生活することで支えられている。

羽仁もと子の虎の子部隊が友の会だと思う。

羽仁もと子の伝記はエピソードもたくさん加えて読みやすく仕上がったと思う。

ぜひ手に取って読んでほしい。


③多摩友の会会員

1日目の最後には、多摩友の会会員が家計簿と共に歩んだ日々について話されました。

19000/月の給与でスタートした結婚生活。予算を立て、見通しを持って暮らす大切さを学んできた。

著作集の「家事家計篇」を読み、家計簿記帳8冊目にして、家計簿をつける理由は、「生活を正すため」と理解できた。

1978年家を建て、義父母と同居し7人家族に。

我われの家庭生活に入用なだけの金がほしい、そしてそれ以外の金はないほうがよいというのが私の考えです。(家事家計篇 p9

豊かな心で(同上 p65

上記2箇所を夫婦で了解、納得し、1995年の特別費決算が197万円/月となった。

退職金2000万円を必要のある夫の弟妹に渡すことができた。

税金・社会保険が多く、引かれていることに対して思うこともあったが、自分が高齢になり、そのありがたさを実感している。

家事家計篇を通読し、一年分の生活準備金を蓄える大切さを若い人に広めたいと思う。


最後に「120年を記念して、家事家計篇をいろんな方に広めていこう」と力強い訴えがありました。


●1日目の出席者

会場526名、オンライン840名 1366名🌷



二日目に続きます🎵